日本の大御所

kiao2005-11-13

Real Thing

Real Thing


日本のフィンガーピッキング界(なんだそりゃ)における第一人者と呼んでもいい中川イサトの4年ぶり最新アルバム。前の3作はドイツでレコーディングしていたが、今作は国内レーベルからの発表。


ここ2〜3年で、イサト氏の中で楽曲やサウンドに対して少し変化があり、音を詰め込みすぎるのはやめようと思い始めたらしい。
技巧を突き詰めて、突き詰めて行く結果、ある時シンプルものに回帰するというのはよくある話なのだが、中川イサトの楽曲はギターの能力を生かしきったメロディー重視のものだから、技巧に走った音の詰め込みということは感じなかったのだが。


それによってか、今作の楽曲は基本的にシンプル。
メロディーとベース、余計な装飾はほとんどなし。
ギタービギナーが、コピーに挑戦したくなるかも(ただ弾くだけのレベルならば)。


Andrew Yorkの「Denouement」を(なぜか)思い出した。


ただ難を言えば、レコーディングしたサウンドがなんだかペタペタした感じで、音が表面的で奥行きがうまく出し切れていない感じが。
ライン録音で、空間の音を拾うマイクが機能していないのか(よく知らないけれど)。

そのせいか、ねらいである「(音の)立体感や広がりがより鮮明になる」というのが、あまり体感できなかった。


高田渡氏にささげる曲が一曲収録されている。
(二人の若かりしころの写真も一枚)


高田渡 BOX

高田渡 BOX

Denouement

Denouement