TVアニメ『放浪息子』 第10話 10+11 〜Better half〜


 
 家族会議から始まる第10話。
 
 二鳥家父といい、兼田先生といい、志村作品に出てくるこういった心持ちの重からず、軽すぎず、といった適度な態度をとれる男性というのに憧れますわ−。まあ、税所先生みたいなヘタレ気質も嫌いじゃないですよ(笑) 親近感? みたいな。
 
 一大決心の後、心折れる結果となった二鳥くん。この作品の核となる部分です。
 いつかは経験しなければならない、避けて通れない出来事。
 世界に受け入れられない自己。その経験。発達心理学とか、そういうのにもなんかありますよね、こんなん。
 
 二鳥くんには、たしかに彼を理解し、受け入れてくれる人たちがいます。
 
 しかし、赤ん坊が成長するにしたがい親からもっと広範な人間関係の中で承認を得ようとするように、二鳥くんもまた親しい友人達から(一番身近でかつ大きな存在である)クラス・学校の人々に、自分の真の姿に対して承認を得ようとしたのです。
 
 これは現象学で言うところの「親和的他者」による承認から、「集団的他者」による承認への移行になります。……なんて、今たまたま読んでいた本にかぶれて書いてみたりして(笑)
 
 安那ちゃんから「真帆は慰めてやってくれ、みたいなこと言ってたけど……」のエピソード。ここ、いつもキツイことを言うお姉ちゃんも、心の一番奥底では弟のことを心配してあげていることが伝わるよいとこですよね。
 
 高槻くん「佐々ちゃんいいやつ!!」 うん、視聴者も全員そう思ってます!!(笑)
 ほんと、いい子すぎて、マジこの作品の清涼剤。
 
 知ってる。修のことでバカにしてくる子とかやっぱりいる。そうゆうの、瀬谷はきっと知ってる。
 なるほど。「I know that You know」ということですね。分かる人がいるはずもない『Enigmatic Drive』ネタ
 
 お前のこと嫌いなんだ。
 「I hate you」であり、『J』ネタ。ってこれはもういいです。
 そう、全ては二鳥くんの意志の結果、自分で選択した行動であることを認識・覚悟することで、自分自身の感情をはっきりと投げつけることのできた彼だったのでした。