俺と悪魔のブルーズ
- 作者: 平本アキラ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/01/20
- メディア: コミック
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オレらブルーズマンはこの胸の内側に誰もが持っているブルーズを掴みとって
表現(だ)すだけだ
土地に縛り付けられた黒人たちは、土曜日の晩には酒場で憂さを晴らし、
日曜日には 教会ですべての罪を洗い流してもらう。
……そして月火水木金 日常(ブルーズ)がはじまる。
自分は、ブルーズを聴くのはロックの祖先的な意味づけで…ということが多い*1。たしか、エリック・サーディナスもちょっと似たことを言っていたような気がする*2。
古いブルーズを聴くと、やはりその泥臭さが匂う。
いい・悪いということではない。むしろ、その泥臭さこそがブルーズなのであり、決して終わることのない日常への嘆き、焦燥、諦め、ときに慰めとなる酒と女のことを歌うことがその根本を担っているのだろう。
魂の叫びとでもいえるそれは、洗練という言葉とちょっと距離をおいた位置にあるのかもしれない(だから作中、RJが技術に固執していたのを、他のブルーズマンにため息をつかれていた)。RJがいわゆる「悪魔に魂を売った」ところは、細かいトコが辻褄合ってないところがあるのが気になった。観衆と兄貴の台詞を検証するとね。でも、カッコいい演出だな。
天才が背負う羽目になる狂気と孤独は、RJにも例外ではなく、彼を旅立たせる。
そう、一歩狂気の道を歩みだしたら*3、日常へ戻ることはできなくなるのだ。