病弱な少女と元気な男の子
たぶん、今こんな設定を使ったら「ベタだな〜」とつっこまれること請け合い。
これはキャラクター的記号として、
病弱=弱い=守ってあげたい という「姫」の記号と
元気=強い=守ってあげる という「ナイト」の記号という
もっともわかりやすい関係性を示す、お約束みたいなものだろう。
物語の作り手としては、そんな病弱な彼女に(少年が)興味を持たす理由として「かわいい」というアドバンテージを持たせたくなるのでは。
つまり
「病弱」→守りたい→なぜなら「かわいい」から
となる。
その「かわいい」は「病弱」という前提があってこその存在であって、
付加価値なのである。
では、逆のパターン
「かわいい」、ゆえに「病弱」ということはないのだろうか。
じつは、あるのだった。しかも、生物学的に。
女性ホルモンの一種であるエストロゲンは、顔の良さや体の魅力といったものに強く影響し、(親から受け継ぐ顔の造詣やスタイルといったものはここでは別の問題にする)、思春期から現在までのエストロゲン・レベルの変遷の歴史がその女性がもっている魅力とも言える。
ところが、このエストロゲンは免疫力を抑制するという困った作用があるのだ*1。
つまり、エストロゲンによって女の顔と体が魅力的に形作られているとしたら、それは単にそう作られただけに留まらない。エストロゲンによる免疫抑制に打ち勝つだけの免疫力を持っていて、ちゃんと生きています、立派に形作ることができました、ということを物語っているのだ。
ということは、病弱少女はエストロゲンによって女の魅力を形成しながらも、その免疫抑制作用に負けている・・・ともいえるのである。
こういった記号としてのキャラ作りが、後付で科学的に立証されうるというのもおもしろい話である*2。
- 作者: 竹内久美子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/01/15
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