人間動物園 (双葉文庫)

人間動物園 (双葉文庫)


やっと読んだ。
一筋縄では終わらせない結末はななかなか。


「今度は猫ですか、猿ですか」


事件がおきたのは何十年に一度の豪雪の降るある日のことだった。
ヨシコが誘拐された」と前日にも通報した坂上礼子から、またも連絡が入った。笠井警察署に勤めるゲンさんこと発田元雄は、じつはヨシコというのが(礼子にとっては娘同然の)犬だったことに辟易していた浅井梁次を諭し、共に再び坂上家へと向かうことになった。


「どっちにしろ急ごう。今度は人間だって言ってるんだから」


開始数ページで物語に引き込む力は、さすがだ。
ひとつの事実は、想像力と意図によっていくつもの真実を作り出す。