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- 作者: 連城三紀彦
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2005/11
- メディア: 文庫
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やっと読んだ。
一筋縄では終わらせない結末はななかなか。
「今度は猫ですか、猿ですか」
事件がおきたのは何十年に一度の豪雪の降るある日のことだった。
「ヨシコが誘拐された」と前日にも通報した坂上礼子から、またも連絡が入った。笠井警察署に勤めるゲンさんこと発田元雄は、じつはヨシコというのが(礼子にとっては娘同然の)犬だったことに辟易していた浅井梁次を諭し、共に再び坂上家へと向かうことになった。
「どっちにしろ急ごう。今度は人間だって言ってるんだから」
開始数ページで物語に引き込む力は、さすがだ。
ひとつの事実は、想像力と意図によっていくつもの真実を作り出す。