衝動買い

インド夜想曲 (白水Uブックス―海外小説の誘惑)

インド夜想曲 (白水Uブックス―海外小説の誘惑)

失踪した友人を探してインド各地を旅する主人公の前に現れる幻想と瞑想に満ちた世界(裏表紙より)。非常に薄い本。読んでいて雰囲気はそれなりに楽しめる。何を言いたかったのかはよくわからんかった。読解力不足?タブッキはもう一つ購入してあるので、そちらも読んでみる。
印象に残ったのは、夜中のバス停留所で出会った目の美しい少年と、その少年の肩に乗ったサルのようでいて実は人間である兄に占いをしてもらうくだり。

そのとき初めて、僕は少年が負ぶっている動物と思ったものが、猿ではなく、人間だとわかって慄然とした。(・・・中略・・・)その子の肉体は形も大きさも、プロポーションを失ったままちぢかまっていた。手足は彎曲し、変形して、グロテスクとしかいいようのない、無残な秩序と寸法を強いられていた。(・・・中略・・・)その顔にのこっている唯一の人間らしい要素は、目だった。非常に小さい、するどい、かしこそうな目が、差し迫った危険か恐怖にとりつかれたかのように、あるゆる方向に不安げに視線をはなっていた。