種々雑多、彩果菜色!!
- 作者: okama
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2006/03/30
- メディア: 大型本
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大丈夫っ
こんなこともあろうかと冷蔵庫もってきたよっ
さまざまな果物・野菜をモチーフにしたキャラ(フードガールズ)を楽しむことができるショート・マンガ(イラストレーション)集。
基本的な流れは、
1P目 話の導入 なんかちょっと困ったこと起こる 上の台詞とともにコックさんが冷蔵庫を開ける「パカ」
2P目 今回のフードガール登場 レギュラーキャラ(ストロベリーちゃん、メロンちゃん、ゆずちゃん)と絡む
3P目 ゲストフードガールの能力をみせる
4P目 オチ ここでちょいエロな目にレギュラーキャラやゲストフードガールが)遭う
ちがう流れもあるけれど、だいたいこんな感じ。
ここでフツーのイラストレータとokamaとでは逆転現象がある。一般的に言えばオチにおいてキャラの服がはだけてしまったりするのはお色気の読者サービス(!?)になるのだろうけれど、okamaの描くキャラは「服が脱げると魅力が減少」してしまうのだ!!*1CLOTH ROADでも言及したように、okamaはキャラそのものよりも衣服とか小道具といった世界観を構築するもの全てをひっくるめてキャラの魅力に貢献し、またそのキャラが世界観を構築するのだ。
(マンガ「CLOTH ROAD」のあるキャラを花をモチーフに、ブーケの本などを参考にしてデザインしていた話から)
――それはおもしろいですね。逆に何かの絵を見るよりも、花とかモノを見ながら着想されることは多いんですか?
okama(以下 o) そうですね。服自体を見て描くとそのまま服を描いてしまうので。――キャラクターを作ることによって、作品の世界観を引っ張っていくということはあります?
o とてもあると思います。普通の人はキャラクターしか気にしていませんよね。――ご自分のそういう世界観の発想のキーワードになるものというのは、与えられたものであったり。例えばさっきの花であったり、むしであったりというようなところから広げていくのでしょうか。
o けっこう名詞や形容詞から作っていく感じが多いです。あとは単語どうしの組み合わせですね。組み合わせから来るイメージの面白さを描き上げます。あとは与えたい印象ですね。かっこいいとかかわいいとか強そうとか。
――デザインする際は、見る人を意識しているのでしょうか?
o そうですね。印象を与えることが目的です。デザインって。
例えば「リンゴ」。リンゴそれ単体を見ただけならば、千差万別、人の数だけそこから読み取るものが違ってくる。他人がそこから何を汲み取っているのかを窺い知る事ことは難しい。
しかし、okamaはそこからある印象をうけ、それをモチーフとしたキャラを生み出す。そして我々は、そのイメージされたキャラを通じて、okamaがそのモチーフからどんな印象を(いうならばインスピレーション)を享受したのかうかがい知ることが出来る。これがデザインのもつ力なのであり、目的なのだろう。そしてそのイメージを、一枚絵が持つことができる、可能な限りギリギリまで詰め込むことを可能にしているのが、okamaのイラストレーティング能力なのかもしれない。
つまり、「キャラ」とは「キャラクター」に先立って、何か「存在感」「生命感」のよなものを感じさせるものと考えられる「前(プロト)キャラクター態」とでも言うべきものに位置づけられるのである。
(・・・中略…)
おそらく「キャラ」であるということの強度とは、テクストに編入されることなく、単独に環境の中にあっても、強烈に「存在感」を持つことと規定できる。だからそれは、作品世界のなかでエピソードや時間軸に支えられることを、必ずしも必要としない。その程度には「キャラクター」としても強度=立つことと、「キャラ」としての強度とは、独立の事象なのである。「テズカ イズ デッド ひらかれたマンガ表現論へ」より抜粋
「ブロッコリーって、…なんかヒップホッパーだよね」といきなり言われたら、「……はぁ!?」となるだろう、普通は。その非理解を理解共有させるモデルが、この本の中に、ある…のかも。*2