ある一人の、消えたニューヨーカーの記録

透明人間の告白〈上〉 (新潮文庫)

透明人間の告白〈上〉 (新潮文庫)

透明人間の告白〈下〉 (新潮文庫)

透明人間の告白〈下〉 (新潮文庫)

シミュレーション小説であり、バカ小説(と個人的には思っている)。シミュレーションとはもちろん「ある日突然、透明人間になってしまったら」ということ。
元ネタがある話なのでオリジナリティが高いとは言いがたい。本書を半分ぐらいの量に削ってくれたらもっとすっきりしたかもしれない。少し助長な気がして、一人「24」かよとつっこみたくなった。
この透明人間になった主人公を追う組織があるのだが、なぜかkiaoの脳内配役では、すごいよ!!マサルさんの「毛生え薬研究会」だった。なぜだろう…。
物語の性質として一人称の地の文が大半を占めるのは目に見えているのだが、この主人公というのが、なにに対しても言い訳がましくて少しイライラ。それは透明人間になる前の文からも伺える。まあ、透明人間になるのだから他人と会話するのが必然的に少なくなり、それを埋めるために独白が多くなる必要があるから、適役といえば適役なのかもしれないけれど。