見よ、この無駄な想像力!!

カラスヤサトシ (アフタヌーンKC)

カラスヤサトシ (アフタヌーンKC)

カラスヤサトシ、だいぶ久しぶりに、本屋さんで在庫があるか店員さんに確かめてしまったよ*1。表紙も金かけていないし、帯はやっぱり自虐的だし、…これをジャケ買いする人はいないだろうなぁ。
昔のおもしろエピソードがよくもまぁこんなに掘り出してこれるなぁ、とその記憶力に感心したり。また、わりと最近の話でも、へんなことに気づいたり出くわしたり、人間観察の鋭さに感嘆したり。…まぁ、ヒマだからこそ発揮できるワザなのだろうが。
一般的に見たらかなりのドロップアウターなのだが、もてあます時間と想像力(むしろ空想力)によって、いつでも自分だけの遊びを発見してしまう。このたくましさ、というかしょうもなさ。おもしろい。
人は誰でも自分の中に怠惰な部分を持っている。世の中にはめんどくさいことも多々あって、ついふらりとその怠惰の手招きに誘惑されてしまうこともある。だが、多くの人はそれを、自分の内にあるもう一つの声の主「理性」によって跳ね除ける。理性は知っているのだ。あの幻惑に惑わされたら底なしだ、と。そして、その道は多分にして一方通行だったりするのを。
それでも抗いきれないその甘美な誘惑、その果てを疑似体験させてくれるのが、カラスヤサトシなのだ。でもこのマンガを読んでいると分かる。辿り着いたその地で必要となるのは、物がなくても珍奇な遊びを楽しめる、想像力(もしくは空想力)なのだということを。想像がヒマを楽しくさせるのか、ヒマが想像力をたくましくさせるのか。それでもおもろい話の多くが、知人の話だったりするのだが。*2
kiaoのお気に入りは、「私独自のア・ソ・ビ②」「ああっ、モテたい こんなアピール」「面白ーカル言語!①」「実録怒り③」

*1:しかも、最初の店では売り切れだった。

*2:もちろん、それに気づくカラスヤサトシの着眼点があってこその話