続・前情報があると読書には不利だね

ハサミ男 (講談社文庫)

ハサミ男 (講談社文庫)

ちょうどこの本を読み終わった翌朝、何の気なしにTVをつけたら「…また、女子中学生がハサミ男に襲われました」と放送していたので、一瞬、妄想の世界に自分が入り込んでしまったのかと思ったよ。ホントに*1
久々のエンタメ。それまで、南米のひげのおっさんの本を読み途中だったので、その読みやすさにすらすらと読んでしまった。…で、本書が映画になったときに、どうやって映像化するのだろうかという懸念が周りで起きていたので、ああ、今回はメタ的なネタか、(←ネタバレにつき、白抜き字にしています)とわかってしまった*2。こういうのって、読書するのによくないね。いつのまにやら耳に入ってくるものだから、しょうがないんだけれど。
本書で通奏低音のように流れるのは、主人公も持つ、そのニヒリズムニヒリズムってシャイの裏返しだよね*3
手堅く楽しめる作品。

*1:また、その番組のゲストコメンテータが、本書に出ていた人物のように、胡散臭い、犯人の精神分析を言うものだから、笑ってしまったよ

*2:373Pにkiaoが書いたメモにも、<主人公と医師の立場が逆転、急に>と書いてあるけれど、日高とは書いていなかった

*3:それとも、シニシズムか。言葉は難しい。