以下の文章では、あることを巧妙に(!?)隠している。
- 作者: 舞城王太郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/12
- メディア: 新書
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自分の好きな(んだろうと思われる)作者を見つけると、その作者の既刊作品を貪る様に読破する、という人を聞いたことがある。その気持ちはよく分かる。だが、kiaoはあえてブレーキをかける。理由は簡単。自分にとって良い読書となるであろう確率が高い作者が分かっているのであれば、いざという時のためにとっておくことができるからだ(例えば、自分との相性があまり良くなかった作品を立て続けに読んだ時など、ここらでいっちょ気分を晴らそうと、お気に入りの作家の作品に手を出せる)。
では、なんでそんなお気に入りの作者をとっておいて、(我慢して読む羽目になるかもしれない)他の作家の作品を読もうとするのか。その理由も簡単。本は「読んでみなければわからない」からだ。要するに、さらにお気に入りの作家を見つけるための、ちょっとした冒険のようなもの。
そしてもう一つの理由。その時ピンとこなかった作品が、時間を経てあらためて読み直してみると、「なんでこの面白さに気づかなかったのだろう」という経験があるからだ。あるからだ、と言ってはみたものの、読書においては、kiaoはその種の経験はあまりない(読書暦が浅いからだろう)。むしろ、音楽においてそういった経験が多々ある。
学生のころ*2、VAN HALENやGUNS'N ROSESなどはかなり好きだったのだけれど、ジミヘンやLED ZEPPELIN、またはレッチリやリンプの良さが、正直あまりわからなかった。だけれど…、それからしばらく時が過ぎ、気づいたらいつのまにかそれらの良さが分かるようになっていた(むしろ、ハマッた)*3。その転換期は、全くおぼえていない。ほんと、いつのまにやらなのだ。今では、MARS VOLTAみたいのも聴くしな。
まあ、それもこれも、どこかで体験しておかないと、そういった「転換期」は訪れないし、だからちょいと背伸びもする。ジャズやクラシックも聴いてみたりもする*4。
だからといって、読書をあらゆるジャンルに手を伸ばそうとは思っていない。それをするほどには、いろんな意味で時間がないから。だから、ある程度は方向性を絞って、その中でも少しずつ手を広げてゆこうと思っている。
まあ単純に、読んですぐに悦楽に浸りたい、ラストに辿り着くまでの御預けにされたくない、という欲望があるとも言えるか。
あと、どーでもいいが、この帯はダサイ。