ほんと飽きないね、わしは

敷居の住人 (1) (Beam comix)敷居の住人 (2) (Beam comix)敷居の住人 (3) (Beam comix)敷居の住人 (4) (Beam comix)敷居の住人 (5) (Beam comix)敷居の住人 (6) (Beam comix)敷居の住人 (7) (Beam comix)
もう、何回読み返したか覚えていません。また、読んでます。で、やっぱりおもしろいってどうゆうことなんだよ。たぶん、その要素の一つってのが、作中人物が(主人公が)成長しないっていうのがあると思うのだけど。「翻訳夜話2」でも言っていたように、「キャッチャー・イン・ザ・ライ」では主人公(ホールデンだっけ?)が物語を通して特に成長するわけではないから、読む前と読んだ後での彼に対する読者のイメージが変化しない、ゆえに再読した時においてのブレが少なくてすむ、ということらしいのだが、そういった点で言えば本作も一緒。作中時間は動いてはいるし、人間関係は多少は変化するものの、これといって派手な変化が(ストーリーという点でも、人間関係という点でも)ほとんどない。だから、この面白さと言うのが単純に作者の描写に起因するものであり、それは1回読んでも失われるものではないので、何回読んでも面白いのだろう、と思う(この話は、ちょうど今読んでいる「小説のストラテジー」にある「記述の運動性」と関係が深い)。
ま、これだけにかかわらず、「どうにかなる日々」のほうも何度読み直しているかわからないくらいだが。