梢は、勝手な脳内イメージでは『CLOTH ROAD』のジュリエット(あんなに怖くないけど)

ディスコ探偵水曜日〈上〉

ディスコ探偵水曜日〈上〉

ディスコ探偵水曜日〈下〉

ディスコ探偵水曜日〈下〉

この世の出来事は全部運命と意志の相互作用で生まれるんだって、知ってる?

こ、こんなに厚いとは……。書店で見たときにびっくり。単著のオリジナル作品としては、「ソマリア・サッチ・ア・スイートハート」以来2年ぶりになるのか*1。だが、その間にも雑誌に小編は発表していたし、この作品だって「(上)」に当たる部分は雑誌で不定期連載していたわけだが、でもkioaは連載では追っていなかったので、気分的には完全新作。
当然のごとく、まだ序盤までしか読んでいない。……のだけれど、「な、なんじゃそりゃー」が頻発。久々だな、この感覚。

主人公が米国人探偵なのに、中身はまんま日本人なわけだ。といっても、これもあえてやっているのは誰もが分かること。少し読んだ感じだと、テーマの一つには「入れ物(外見)と中身(内面)」があるのかな(これもこの先どう転がるかわからないわけだが)。

もちろん、「探偵」と銘打っているからには、奴らが出てこないわけがない。でも、それは単なるガジェットにすぎないと思われる。

そういえば、舞城の特徴の一つとして「描写が少ない」ということが挙げられるよね。それがあのドライブ感に貢献しているわけで(描写は瞬間を切り取るもので、必然的に物語内の時間をpendする(留める)作用を持つ。というのをどこかで読んだが、どこでだったっけか)。この「描写が少ない」というのは、佐藤亜紀ドストエフスキーに対して(ナボコフの言を借りて)言ったことだったな、たしか。と書くと、「描写が少ないから舞城の小説は稚拙だって言いたいの?」ととられそうだけどそういうわけではなく(少なくともkiaoはそう思っていない)、さりとて舞城とドストエフスキーに類似性を見いだしているわけでもなく。や、ただなんとなく思い出したから書いただけです。

kiaoはそんなに早く読めるほうではないので、しばらくはこれに係りっきりになりそう……。

*1:あれは『スクール・アタック・シンドローム』に書き下ろした短編だけど