読書感想文コピペ問題について

 ちょっと前に少々話題になったらしいのですが。読書感想文ですか……。このようなサイトがあること*1に是も非も特にないというのが、個人的な感想です。
 と言いますか、その前に「読書感想文」というモノが何を目的に行われているものなのか、そしてそれは今現在においても有効であるのか、というところをまず問い直さないといけないのではないのでしょうか。
 ……まあ、無理でしょうね。一度出来上がったものは、相当のことがない限り無くす方向で議論に俎上されないのが世の常ですから。意義は失われ、形だけが生き残る。人の世の、滑稽な部分ですね。
 感想を書くために本を読む、その倒錯性。むしろその倒錯的な部分を味わせるために行っているのでしたら、それはそれでおもしろいと思いますけれど。人生には、したくもないことをさもしたいように見せなくてはいけないことがあるのだよ、という教訓を教えるために、みたいな(笑)
 そもそも、「課題図書」とはなんでしょうかね、あれ。人の自由を奪うということをそんなおおっぴらにしてもよいのでしょうか。まあ、教育とは洗脳であるということを理念の基底とするならば、あながち間違いでもないということになるのでしょうが。
 あ、あとあのサイトの感想は、本当に使えるのかと。
 例えば中高生向けの『こころ』の感想テキストがあって、少し見てみたのですが。……んん。冒頭に、友達に『こころ』を読書感想文とすることをメールしたら、一人には「難しいよ」と言われ、もう一人には「あんな陰気な話どこがおもしろいの?」と言われて、それでも僕はこれを感想文として書こうと決意しました……みたいな流れになっていますが……。はっきりいって「お前らの『こころ』の既読率は異常だろ!!」と(笑) これを書いた人は、自分の中高生時代を思い出して下さい。あ、それともあれですか?たまたまkiaoの周りがそういった環境だっただけで、ごく一般的な中高生は夏目漱石くらい読破しているのがデフォルトなのでしょうか。それは失礼しました。

*1:こんなものの一つや二つくらい存在するだろう事は想像に難くないシロモノではありますが