あの花は、思い出の中のスーベニア……な最終話


 
 雪花。百枚の花びらが飛花するよう舞う雪の中、ふみは思い出したのでした。繋いだ手。生まれて初めて好きになった、その人への想いを、温もりを……。
 
 すごいです。これは優秀の美ですね。まさに。
 
 この最終話を視聴するまでは、「結局話を3巻までで締めくくらないといけないから、実はあーちゃんについては特に事件も起こっていないし、何か心境に変化が見られたわけでもないし、実質の主人公ってふみちゃんと杉本先輩だよねぇ」なんて思っていましたが。……もううまいことまとめられてしまいました。ここまで一番良いと思ったのは第9話でしたが、さすがです。最終話で全部持ってゆきました。
 
 図書館での本の入れ替えでは、ふみちゃんが回収した本の中に『エデンの東』があるという遊び心(『東のエデン』より)。後は、『虚栄の市』と『広い藻の海』と、……『ダロウの書』!? (そんなバカな)
 
 康さんとあーちゃんのエピソードを、原作では井汲さんが風邪をひいてしまったため必然的に2人きりになってしまったものを、この話では、実は康さんが井汲さんには内緒でプレゼントを選ぶためにあーちゃんにお願いした形としたアレンジも絶妙。
 それを実はふみちゃんが見ていて(君は市原悦子かっ!!)、クリスマス会にてその真相を知り、胸を撫で下ろす彼女。細かいところで、緊張と緩和を入れてきてます。いやー、それにしても康さん、大学生とは思えないほどオッサン臭いコート着てますね(笑) 左右で髪を軽くお団子にしたあーちゃんがかわいすぎます!! アニメのおかげで、この二人の組み合わせが、けっこう好きになっています。
 
 ふみちゃんのこめかみが痛くならなくて一部の人は残念だったと思いますけれど(どんな人!?)、あの顔の艶めかしさが十分すぎるほど再現されていたので、良しとすることでしょう。それに、あの流れでは直接言わせなくて正解だと思いますし。
 
 女5人集まって、かしまし楽しクリスマス会。
 
 それでもってあれですよ。モ、モギー!! 家族のいる前でこの子ったら!! どんな羞恥プレーなのさ、奥平兄にとっての。原作では描かれていないオリジナルの演出なので、視聴している人は皆ビックリしたことでしょう(当然、kiaoもです)。ほんと、恐ろしい子!!
 
 そして松岡3人娘は帰るのに、ちゃっかりと泊まってゆくふみちゃん。「家族!! 家族になっちゃってるよ この人たち!! (by 『愛がなくても喰っていけます。』)
 
 青い花。2ヶ月と少々でしたが、とても楽しかったです。1クール一通り何かを見るのなんて、2・3年ぶりだったと思います(私の記憶がたしかならば(by 鹿賀主宰))。つ、次はぜひ『放浪息子』を……。