TVアニメ『放浪息子』 第1話 おんなのこって なんでできてる?


 

 おんなのこって なんで できてる?
 おんなのこって なんで できてる?
 
 水35ℓ、炭素20kg、アンモニア4ℓ、石灰1.5Kg、リン800g、塩分250g、硝石100g、硫黄80g、フッ素7.5g、鉄5g、珪素3g、その他少量の15の元素
 
 そんなもんで できてるよ
*1

 
 あきらかに第二部的な始まりでした。
 いきなり中学生編からは、やはり唐突ですよ〜。原作未読の人は、絶対ついてこれないです。TVアニメがそれでいいのか? という疑問はあります。
 
 良いところ
 1.淡い色彩が素晴らしい
 原作(志村貴子)がカラー原稿描くときは水彩を使用しているのですが、このTVアニメも同様に淡い質感を残した彩色が施されていて、作品の雰囲気と実にマッチしています。
 そしてこの淡い感じが、中学生っぽいというか、思春期っぽいというか、まあそんなアレで世界観の構築に大きく貢献していると思います。
 
 2.最初と最後のオリジナルシーン
 二鳥くんと高槻さんがカメラ目線で独白しているところですね。あれがあることによって、話の途中から始まったような(事実そうなんですが)第1話において、だれがこの話の主人公か明確に演出されています。
 
 3.桜のCGが美しい
 よいです。火影姿でなくても見惚れます。
 
 良くないところ
 1.人物・人間関係を説明するために、キャラにエキセントリックな行動をとらせる
 例えば、クラスの自己紹介のシーン。まあ佐々さんは100歩譲ってよいとしましょう*2。千葉さんがひどすぎやしませんか? あの象徴的なシーンを入れたいのは分かるのですが、千葉さんが『赤毛のアン』を知っているのはいわばその教養としてであって、あれだと*3中学生になっても『赤毛のアン』に夢中な女の子になってしまってるのですが*4
 あと、千葉さんがフミヤくんになぜか女装二鳥くんを自慢したり、二鳥くんがスカート姿のまま外に飛び出し、高槻くんの前で泣いてしまったり(剰え、慰めてもらったり)。
 二鳥くんが最後、夜中に突然起きだし、洗濯をしているシーン。精子を手に取るシーンがないので、全く謎の行動になっています。下手するとおねしょととられかねないです。所謂放送コードですか……。
 
 2.やっぱり話が唐突
 1.の原因にもなりますが。小学生編が「ホップ」だとしたら、中学生編は「ステップ」にあたるわけで。『マトリックス』をリローデッドから観る感覚。
 小学生のときの出来事・人間関係の残滓を、むりやり挿入せざるを得ない。その違和感。初めて観る人は、「小学生のころにこんなことあったよね」っていわれても「知らんがな」ですよ。やはり。
 
 
 第1話総評
 演出は良さげ。絵も色彩が淡く豊か。ただ、脚本が企画を成立させるため無茶をして、ところどころ綻びあり。
 
 

*1:注:ウソ引用です

*2:中学であれだとアホの子ですよ。あの、マコちゃんに同じクラスって叫ぶ仕草はかわいらしさが出てすごくよかったのに

*3:赤毛のアン』がモチーフだということが分かるように、『赤毛のアン』の"本"で殴るとはっ!?

*4:赤毛のアン』という作品が幼稚であるという意味ではないので、念のため