地方を舞台にしたマンガは、なぜか気になる。

朝霧の巫女 1 (ヤングキングコミックス)朝霧の巫女 2 (ヤングキングコミックス)朝霧の巫女 3 (ヤングキングコミックス)朝霧の巫女 4 (ヤングキングコミックス)
「敏久鎮縛志給閉!!」
一言で言えば、「巫女が戦うマンガ」。そのまんま。さりげなく資料を読み込んでいる形跡を見せるのはこれのようで、ある地方の特殊な一地域を舞台にして戦うという点ではこれに似ている。「巫女が戦わないマンガ」だったらこれか。
忠尋をねらって学校で妖怪が猛威を振るうという騒動を起こし、その存在に対抗するため創られた巫女委員会だが、そんな即席で集めた(前日まで一般生徒だった)女のこたちが敵と戦えることに違和感が。武器さえあればいいのか!?柚子の祖先に当たり、忠尋もその血の流れを半分受け継ぐ「稗田一族」と、忠尋の体にもう半分、その血を受け継いでいる「天津一族」の因縁のために引き起こされた戦いと思いきや、もっと大きなところでは日瑠子陛下という皇室の影が見えたりする……のはいいのだが、(敵である)乱裁が巫女委員会の少女たちにちゃかされ気味にやられるシーンが、戦いのスケール(シリアスなのかコメディなのか)を混乱させてしまっている。正直、この演出は蛇足。
柚子と忠尋のラブコメ要素としては、一巻当初の、5年ぶりに再開し、過去に何かがあったらしい(がまだ読者にすべてはわからない)二人が、お互いの距離を再構築しようと少し不器用に模索している感じがなかなかよかったのだが、気づいてみたらいつのまにか柚子が(隠しきれないほど)忠尋にベタぼれ丸出し状態。ちょっと、過程に手ぇ抜きすぎじゃないのか。

実は、4巻はまだ買っていない。
4巻を買うかと言われたら、……買うけど。天津一族であり、忠尋を助けようとするこまの存在が気になる(ネコ要素が、ではない)。4巻を買うのはいいが、この展開で次の巻(5巻)を1年以上待たされるのは正直言ってしんどい。