いろいろ読んだ

長い長いさんぽ ビームコミックス
まるで自分の子供が亡くなってしまったかのように悲しむ作者の気持ちが全開さらけ出しで描かれている。なんだろ、これが本当の肉親との別れだとしても同じくらいへヴィに描かれただろうか。もしこれが友人・知人の死であったらこんなにドラマティックに描かれなかったかもしれない。愛猫との別れだからこそ、作品になり、商業路線に乗る。この浮遊した感覚というか、齟齬を感じる不思議さはいったいなんなんだろう*1。いくつか、kiaoの価値観とは違う行動はある(具体例はあげないけれど)。けれど、亡くしたものを悲しむ感情までをも否定しようとは決して思っていない。そんな他人の情動を評価する傲慢さまでは、生憎持ち合わせてはいないんで。
愛猫「ユズ」が、亡くなる前日の晩、「かあちゃん(作者)」の部屋でポツンと佇んでいたカットはなんともいえない気持ちになった。その飼い主のいない部屋で、虚ろな空間を見つめるその瞳にいったいなにを写していたのだろう。
庭先案内 1巻
ちょっと不思議な話が織り成すオムニバス形式の作品。上と同じ作者だったので同時購入したのだが、お話としても絵的にもちゃんと「作品」になっている。「作品」と「エッセイ」をきちんと分けていて好感触。個人的にはこちらのほうが好み。少し幻想的な話を理屈ぬきに、ほんわかと楽しみたい人にはお勧めできる。
地獄少女(1) 限定特装版 (プレミアムKC)
なんか話題なので。少女漫画の矢島作品という感じかな。「地獄少女」という「型」を作ってしまえば、あとはそこにデータベースから話を引っ張ってきて代入するだけ。お手軽、オヤツ感覚。
LIAR GAME 2 (ヤングジャンプコミックス)
1巻が書店になかったので、2巻のみ。でもあまり支障はなく読める*2。まさにライトな「カイジ」。よくできたコンゲームで、おもしろい。すこし雰囲気が軽いなという感じがしたのだが、それも複線になっていたのはなかなか。この頭脳戦を作るための材料が過不足なくそろえられていたのかと、感嘆*3。そして3回戦への引きがうまい。
カイジ」にくらべ、泥臭さがないね。

*1:それまでのエッセイを見ていないから、余計に感じたのかも

*2:2巻のほうが評判よいようなので、とりあえず1巻がないけれど読んでみた

*3:人数すら、ね