それは、この社会を創りあげた我々の望みの結果

食品の裏側―みんな大好きな食品添加物

食品の裏側―みんな大好きな食品添加物

―――そうだ、自分も、自分の家族も消費者だったのだ。

かつて「添加物の神様」と称されるほど食品業界でその名を知られていた著者。その氏が一転、自分の子供が何も知らずに美味しそうにミートボール(氏が手がけたもの)を食べていたのを目撃、その日を境に自分の生き方を変えた。
著者は言う。
「私たちの生活から食品添加物を「ゼロ」にするのは、現実問題として不可能。どんなものを食べるかは消費者の自由。ただ、選択者には選択の元となる情報が十分に行き渡らなくてはならない、が、今の食品(業界)ではその情報公開性が十分とはとても言い難い。重要なのは、添加物を含め食品のことを良く知り、それらといかにうまくつきあってゆくかということだ。」(引用者 要約)
厚生労働省の毒性テスト。添加物単品使用の場合のテストであって、複数の添加物をいっぺんに摂取したらどうなるかという実験は十分に行われていないということ。
コーヒーフレッシュの正体は牛乳(ミルク)や生クリームから作られているわけでなく、植物油に水を混ぜ、添加物で白く濁らせ、ミルク風に仕立てたもの*1
世間ではディスカウントされた商品が「特売」として売られる。その商品がなぜ「安い」のか考えて購入している人はどれだけいるのだろうか、という思考停止状態の購入者のことも危惧する。
著者が与えたかったのは、知識とか舞台裏とかよりも、人々が「食品」に対して考えをめぐらす「きっかけ」だったのではないだろうか。

*1:このネタは、小箱とたん「スケッチブック出張版」で「ミルク (秘技!ドリンクバーでミルクが飲める!  ・・・まずぃ)」がある