もとには戻らない、だからこそ意味がある
- 作者: 羽海野チカ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/09/08
- メディア: ペーパーバック
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そして翌日、書店に寄ったら、最新刊(にして最終巻)の10巻発売。即購入。
人生の中で数多く、…というのはホントは嘘で、実際の人生にはそんなに多くはない人との出会いと別れ。永遠の時間の中の、有限である人の生の中、その間に永久に何かを得続けるというのは無理な話。何かを手に入れたら、何かを失う。両手に抱えきれる荷物の量は、あらかじめ決まっている。得て、失って、得て、失って、それらの繰り返し。失くしたもの、手に入れかけても指の隙間からすり抜けるように消えていったもの、絶えざる時の流れの中で離れていったもの。今はもうないそれら。結局手に入れられなかったものに何の意味があったのか、手に入らないくらいなら始めから何も望まなければよかったのか。
…ちがう、そんなことはない。たしかにカタチには残らなかった。目に見えるものは、ない。だから、わかるのだ。本当に大切なものは、カタチにも残らない、目にも見えないものなのだということを。長い時間をかけて、武本が手に入れたのは、その答えだったのかもしれない。