白い粉を持つものは、誰だ!!

フランス白粉の謎 (創元推理文庫 104-6)

フランス白粉の謎 (創元推理文庫 104-6)

「正直な仕事は、天国に行っても、報酬を要求しない」とエラリーはつぶやいた。

頭が痛い。最近片頭痛のようなものがとれなくて調子が悪い。いや、正確に言うと頭痛とは違う症状で、どういったものかはおおよそ分る(あえて言わないけど)。いつも頭蓋骨と脳の隙間に紫の煙が立ち込めているような、モヤモヤとした…。ちょっとまいった。たぶん、正直な仕事をしていないからかもしれない。
それはさておいて、クイーン国名シリーズ2作目。読者への挑戦状が出るまでは淡々と、予定調和で話が進むので、淡々と、それなりに読む。絶対に今の感覚で言ったらここまでのボリュームは半分とは言わなくても2/3には縮められる。というか縮めてほしい。
まあ、出来上がっている作品に文句を言うのもヘンな話で。なにが物足りないのかといえば、(kiaoなりに理解した)「記述の運動性」がほとんど見られないからなのだけれど。…ミステリにそんなものを求めるなって?たしかに。
解決編に入ってしまえば、めくるめく謎解きによってどんどんページをめくっていって、あっという間に読了となる。なるほど、たしかにという結論。ただ、夜に口紅を塗るのと、いくら待っていた相手だとしても口紅を塗り終えないでドアを開けて招き入れるかな…と。ま、そこを突っ込むのはやぼかもしれない。人間、そうしないともかぎらないしね。