乙女心と秋の空を踏みにじるヤツは死あるのみよっ!

CLOTH ROAD 5 (ヤングジャンプコミックス)

CLOTH ROAD 5 (ヤングジャンプコミックス)

風まかせかい?
……違うね 勝利の風は自分で吹かせるものだ!*1

巷じゃKY〃て空気を読むことが尊重され、TVの中のお笑い芸人にもそれを強要させられるんだから、世も末だ。確かに空気を読むことも大切かも知れんが、もっと大事なのは空気を自ら作り出せることのほうだろうが!!特にクリエイティブな部分を求められるものにとっては、それこそがオリジナリティとよべるものなのだから。他人に同調したって、平べったくはなれるけれど、突出なんてできやしない。
というわけで、今最もオリジナリティ溢れるマンガの一つである「CLOTH+ROAD」。

僕らには僕らの 僕らがつかんできたやり方があるんです
それを曲げてまで他の人の役に立とうとは思いません 思えません
僕は僕の方法で服を作ります 
誰の奴隷にもなりません

世界のトップブランドが終結しその技術を競い合う"クロスロオド"は、ファーガス・ジェニファー二人の父であり国際永久指名手配犯であり天才デザイナーであるガーメントが起こした暴動によって破壊されてしまった。新しい旅に出た二人は、"クロスロオド"にも出場していたトップモデル・カピスルの招待により、世界7大ブランドの一つユニイズムの街へと招待される…。

この独特の世界観(デザイン)を堪能できるんだから、半年もコミックスを甲斐がある。描き手がokamaでなければ決して構築することのできない場所(ブランド)。その世界観が独特であるからこそ、倉田英之が導くそのまっすぐで王道な物語(ビルドゥングスロマン)が映えるというもの。

今回のユニイズムとの戦いでは、造形美とは違う、服というものが持つ実用性についての強さを問われる。ユニイズム側のデザイナー・チャコが彼らに言った「スポーツを身体だけでやろうってヤツは はっきり言ってバカだわ」という言葉が示すのは、服がモデルを飾るのではなく、その能力を引き出させる必要性を意味している。デザインに使える時間はたった1日。競技は短期決戦の"WAR−KING"ではなく、鉄人レースとも呼べる体力の消耗戦"トライアスロン"。これは今までの戦いでは経験していなかったことだけに、ファーガスは苦悩し、ジェニファーは苦戦する。

……だがしかし 私もトップモデルのはしくれ なによりユニイズムの代表
負けるわけにはいきません 負ける理由もありません

*1:4巻でのメイ様のセリフ