色とりどりの線、交わり、紡ぐ

放浪息子 (7) (BEAM COMIX)

放浪息子 (7) (BEAM COMIX)

あらゆる状態で、第三者が間にはいってくることほど重大なことはありません。ひとりの新しい人物が、偶然に、あるいは運ばれて、はいってきたため、その関係がすっかり変化したり、その境遇が全く逆になったりした、友人や兄弟や愛人や夫婦を見たことがあります。

ゲーテ「親和力」*1

えええええええええぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!
怒涛の第7巻。一言で言うと末広安那がかわいすぎる!!
中学生編が始まって、新しい役者が顔を揃えた第5巻(ホップ)。文化祭というイベントを軸にして、小学生編が残してきたテーゼを成長した彼らのステージにゆっくりと転化させていった6巻(ホップ2)、そしてこの7巻は小学生から中学生へと変わった二鳥くん・高槻くんたち、クラスメートであり新しい友達となった更科さん・白井さん、二鳥くんらが成長したことにより同じ中学生というフィールドに立ったお姉ちゃん(真帆)・末広安那が、思いもかけない交錯を催す(ステップ)。
4巻の怒涛の事件を通して、それぞれが少しずつ違う直線を描き始めたところへ、更科さんや白井さんや末広安那や、はたまたまこちゃん(有賀誠)や岡田やら、別の直線が予想もしない交わり方をして、それはかぎ編みかスレッドコードか、交錯が面を生み出し物語が紡がれていく。
それにしても、誰が予想できたであろう、これらの組み合わせ。特に、82Pと104Pの末広安那は、なんかヤバイです(笑)7巻の影の主役といってもいいんじゃないんだろうか。
扉絵賞は118P。タイトルは「第55話 雪解け?」。千葉さんファンのkiaoとしては、これはちょっと涙が出そうになるくらい*2、胸にグッとくるものがある。タイトルも秀逸。物語の季節は冬。キーワードは「スキー場」。緩やかな歩み寄り。

「それだけで?」
「それだけってわけじゃ……」
「髪の長い男の人だっているし
 また 伸ばせばいいのに」
「そ それだけってわけじゃないよ…」
「ふぅん…」


私は 前のほうがかっこよくて すきよ

*1:ゲーテ格言集」より孫引き

*2:すこし誇張