最近読んだマンガ
遠藤まいがなんだかかませ犬扱いになっているような…。しかたないよなぁ、この問題にけりつけないと話が先に進まないし。だけど連載が週刊ペースなら、もっと丁寧に描くことができたのかもなぁ、と思うと多少残念に思える。痴話ゲンカとをして女が飛び出して行った時の、追えない「男」と本当は追ってきてほしい「女」の構図は、(女性ならではの?)鋭い視点だな〜と思った。
キクチナナコ(以下ナナコ)「今日先生がね」
お 動いた
ナナコ「彼女とケンカしてた」
本田千暁(以下チアキ)「ふーん…そんで?」
ナナコ「なんかいいなぁ て 」
チアキ「なんじゃそりゃ」
(…中略…)
ナナコ「あたしも先生とケンカしたいな………」
チアキ(ヘンなヤツ)
ナナコ「そしてら仲直りできるでしょ?
そしたらギューーって抱きしめてもらってイイコイイコしてもらって 」
チアキ(泣くか……)
キクチナナコはその後も「そしたら」を連発していた
飲み屋でからむおっさんのようにしつこく何度も
怖いなぁ、このマンガ。描写は丁寧で映像的で、話も舞台もきちんとした日常を描いているのに、プンプン(含む一家)を何かのディフォルメされたキャラクタ的に描いていることによって、そのアンバランスさ、何のためにこんな描き方をしているのだろうという疑問が当然のように沸く。だが、その答えは一向に明かされないままずるずると物語が進んでいく。この違和感。だから、いくら日常のドラマが繰り広げられようと、いつかそれをひっくり返すような、謂わばあの違和感の落とし所となるような出来事が起きるのではないのだろうかという不安がいつまでも付き纏ってくる。そういった意味での怖さ。
今までずっと繊細な作品を続けてきた反動か、力技のトンデモありのコメディ。これはこれでいいけど。でもやはり「神戸在住」あってのコレなんで、最初にコレを読んだとしたら、木村紺という作家について関心は示さなかったろうなぁ。そして完結したはずの「神戸在住」最終巻をこのあとに控えているというのだから、やはり作者にとっても「神戸在住」という作品は特別なんだなぁということを勝手に感じた。