ちょっと憂鬱でキラキラした音楽

Against the Pull of Autum

Against the Pull of Autum

最近専らepic45(とその他のバンド)ばかり聴いている。
どうも所謂これがポストロックというものらしいが*1、まーそんなことはどうでもよくて、ただ単に彼らが生み出すクリーントーンの世界がものすごく好きなわけで。
まあ、ポストロックと言われれば「なるほど。言われてみればたしかにポスト的な感はあるのかもしれん」と思わなくもない。ただ彼らに嵌ったのは、kiao的にはエリック・ジョンソンクリーントーンがすごく好きで、その延長線上で「クリーントーンが気持ちいい音楽がないかなー」となんとなく思っていた時に、偶然渋谷HMVで視聴して、「おおー、なんじゃこりゃいいわー」と気に入ったわけだったのだ。その時出会ったのが、『Slides』というアルバム。
なんでも<2004年初頭にCD-Rで限定200枚でリリースされていたアルバム『Slides』が再発>ということで、この再発盤もあっという間になくなってしまった(初盤しか作ってなさそうだし、それだってそんな枚数多くなさそうだし。amazonでも現在在庫切れ)。てか、この『Slides』最初限定200枚かよっ!!それなのにこのクオリティ…。
で、今聴いているのが2ndアルバムの『Against The Pull Of Autumn』。シンプルな構成なんだけど(むしろそれが故に!?)トーンのキレイさがすごく気持ちいい。音韻的か音響的かという音楽の見方をするならば、完全に音響系。
ロックのカッコよさを支えてきたのは歪んだギターの音だと思うんだけど、その歪んだギターっていうのが、もともとはエレキギターをアンプで大音量で弾いたときにどうしても音が割れてしまう(オーヴァードライブ)という、もともとはノイズ的なものだったとこから始まったらしく。
そのどうしても発生してしまうノイズを逆手にとって、じゃあこのノイズをどうやったら気持ちいいと感じられる音に持っていけるのかって発想から、次第に心地よく歪んだギター音楽が展開されていった。
しかし今やテクノロジーは進歩して、オーヴァードライブさせずにギターの音を出すこともできるようになった。じゃあそれなら元々の音に戻ろうかというと、そうはいかない。なんせ、ノイズの気持ちよさを僕たちは知ってしまったから。もはや、エレキギターは、生の音だけではエネルギーが足りない。エレクトロニックなエフェクトが加えられて、ようやく「エレキギター」になれる。*2
だからクリーントーンというものの、そこにはコーラスやらディレイやらリバーブがかけられたりしている。人工的なクリーンさ。レア(生)にはちかいが、美味しく食べれるように加工がなされている。ビバ工学(笑)


なんの文章なのかわからなくなってきた…。


そうそう、この『Against The Pull Of Autumn』のある曲では、『Slides』に収録されている曲のフレーズがサンプリングされているのに、ちょっとおおっと思ったり。
何を今さら、と知っている人はとっくに知っているバンド(!?)なのだろう。kiaoに深い造詣がないことは、今に始まったことでもないし。*3
あと、これとも少しだけ関係あるけど、こういったちょっとマニアックなものとかって普通の店頭にそんなに置いていないことに託けて、amazonとかで高値でふっかけようとしている人たちが、あまり好きではない。こーいうのって骨董世界(ていうか某番組とか)の悪い影響?いや、昔からか。知らんけど。
自分でその作品を楽しんでおいて、尚且つ元の値段を超えて儲けようとまで考えているその姿勢が、なんとも…。こういうカルチャーはさあ、一人でも多くの人が共有できることが何より大事だと思うんだけどなぁ。だからkiao個人的には、どんなに欲しいアイテムであっても、異常な高値をふっかけているモノに関しては、手を出すまいと思っている。だから止めろ、と人に口出すつもりまではない。あくまで、個人的な思い。

Slides

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*1:この定義自体も曖昧ではあるが

*2:ジャズとかだったらそうでもないんじゃない?ということもあるだろうが、無視。あ、パット・マルティーノは好きです。

*3:本なんて、何を今さらのオンパレードだ。