『あずまんが大王』と『ヒャッコ』の違いについて

最初読んだときに、何となく思ってた、とくにどうでもいいこと。
他の人の『ヒャッコ』の感想をいろいろ見てみると、類似品として『あずまんが大王』を挙げているのをよく見かける(個人的には「……そーかぁ?」と疑問系。高校日常生活系で女子たくさんなら『あずまんが大王』って短絡にすぎると思うんだけど……)。
で、じゃあ『あずまんが大王』と『ヒャッコ』の一番の違いは何かっていうと、「Web型」と「一転集中型」の違いなんじゃないかと。
「Web型」と「一転集中型」って何さ?(まあ、kiaoが勝手に造った言葉ですから)というのは、次の問いに集約される。


「……主人公は誰!?(ここは『宮川賢』風に叫んでみると吉)」


ヒャッコ』は簡単。虎子。はい終わり。じゃあ、『あずまんが大王』は?
……と考えたときに、速攻で答えが出てこない。ちよ……と言い切れるほど、彼女は主人公然としていない(もし彼女が主人公であったなら、初回の一番最初に転校シーンを持ってこなければいけないはず)。ということで、『あずまんが大王』には明確な主人公が存在しない。

だからか、『あずまんが大王』では多様な関係性を見ることができる(「Web型」)。
「ちよ」と「とも」の関係だったり、「よみ」と「とも」の関係だったり、「榊」と「ちよ」の関係だったり、「大阪」と「よみ」との関係だったり、「ゆかり」との関係だったり。よく読むと、『あずまんが大王』は意外にキャラよりもキャラクターに準拠した作品だとkiaoには思える。

逆に『ヒャッコ』は、すべてが「虎子」との関係に集約される(「一転集中型」)。
「虎子」と「雀」との関係、「虎子」と「龍姫」との関係、「虎子」と「歩巳」との関係、「虎子」と「委員長」との関係、「虎子」と「潮」との関係、「虎子」と「独楽」との関係。だけど、「虎子」を抜かした関係性というのは(「龍姫」と「「歩巳」との関係は若干あるが)ほとんどない。例えば、主要4キャラの内である「雀」と「歩巳」といった関係ですら、ほとんど描かれていない。
で、ここに『ヒャッコ』はいわゆるキャラマンガであることの根拠があり、登場キャラがどんどん増えてゆくことの原因がある(別にネガティブな意味ではない)。逆に言うと、登場キャラがこれ以上増えるのを抑えたかったら、「虎子」以外の関係性を膨らませてゆく必要が出てくるのではないか。これは、人間以外でもかまわない。例え『あずまんが大王』は、猫や犬(忠吉さん)との関係性によってもまたキャラクターの特性を描いている。


あー、とりあえずやっと言えてすっきり。


ちなみに、『ヒャッコ』で一番笑ったのは、22コメ(22話)での冬馬のセリフ。「トウマ〜 この問題わかんないよ〜〜」「じゃあ死ね」……ヒツギじゃなくても吹くわ(笑)


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あずまんが大王 (1) (Dengeki comics EX)あずまんが大王 (2) (Dengeki comics EX)あずまんが大王 (3) (Dengeki comics EX)あずまんが大王 (4) (Dengeki comics EX)
ヒャッコ 1巻 Flex Comixヒャッコ 2 (Flex Comix)ヒャッコ 3 (Flex Comix)

*1:ヒャッコ』は3巻時点での感想