最近読んだマンガ

おとぎ奉り(12)(通常版) (GUM COMICS)
大団円。最後までのこの絵のクオリティを保ち続けた井上淳哉はすごい。かつ、ちゃんと話しが"ある"ので、楽しんで読むことができました。絵は好きなんだけどお話が……、という感じでちょっと読み続ける動機付けがおきないマンガがなかなかあったりするので。
あとがきに、<10年勤めていた辞めてまで描きたかった>とあったが、こちらも一生忘れないであろう作品の一つと出会えたことに感謝の気持ち。1・2巻をジャケ買いしてよかった。ジャケ買いが最も成功した例の一つ。
六条重臣を鎮めるという最終目標を達して、物語は終焉を迎える。だがそこに彩られた人間関係の行く末は残されたまま。物語はその役目を終えたが、後日談がこれほど読んでみたいと思った作品は、そうない。
次回作が楽しみです。
ブラム学園! アンドソーオン 弐瓶勉作品集 (アフタヌーンKC)
驚異のフルカラーコミック。ハードな絵柄でバカ話とマジ話がそれぞれ。なんかすごい。
うつうつひでお日記 その後 (単行本コミックス)
看板に偽りなく「日記」。『失踪日記』で作者を知ってからの読者なので、完全に便乗読者です。……ん?読者に良い悪いなんてあるのか?まあいいや。一番好きな絵は、女の子が「リフォームリフォーム」言いながら、吾妻ひでおを背後からバールのようなものでぶったたいているやつ。
屍鬼 3 (ジャンプコミックス)
もう3巻か、早いな。さすが月産50P。背景にもなれてきた。背景というか、ブーツとか軍手とか小物までわざわざあんなふうにしているのね。安定している。この感じなら、最後まで描くことができか。フジリュー!! ←ただ叫んでみただけ。
テガミバチ 5 (ジャンプコミックス)
kiaoは浅田弘幸についてゆくことに決めているので。あ、あともうちょっとイェーイな感じも見たいな−、と思うのはファン心。
HUNTER X HUNTER26 (ジャンプコミックス)
やはり、格が違いすぎる。これほどの作品を描ける人をリアルタイムで見続けることができるというのは、ものすごい体験なのではないだろうか。富樫義博を信じられる個人的な理由の一つは、絶対的な「正義」とか「悪」という概念を心の奥では信じていないところ(手並み草に小悪党を描くことはよくあるけれど)。どんな戦いを描いても、あるのはただ「立場」の違いがあるだけ。少年マンガでありながら、どこかでその少年マンガのコードに疑いの眼差しを持ち続ける。和月伸宏は、少年マンガのコードに純粋になりきれなかった自分にジレンマを感じていたが*1富樫義博はその疑いをないことにできなくて、どうしてもどこかで出してしまう。だから信じられる。


あと、『バイオメガ』と『あまつき』が話を忘れてしまっていて、最新刊が楽しめない状況にあります。残念。過去の巻を読み返さないとなぁ。

*1:その後の作品群は、そのジレンマの裏返しだし。個人的には、そんなに自分の適正を責め続けるようなことしなくてもいいのに……、と思ってしまうのだが。