三千ルーブルだけで十分ですよ

カラマーゾフの兄弟3 (光文社古典新訳文庫)

カラマーゾフの兄弟3 (光文社古典新訳文庫)

金銭(money n.)
 そいつを手放す場合を別にすれば、いくら持っていても、何の利益ももたらさないという結構な代物。教養のしるし、また、社交界への入場券。持っていても苦にならない財産。
(P.77)


アンブローズ・ビアス 著 西川正身 訳 『新編 悪魔の辞典』

 お兄ちゃん(ミーチャ)が、最後の宴だとばかりに散財したら、そうは問屋が卸さなかった第3巻。
 いやー、あれだ。アリョーシャは精神的ショタっ子なんだな。そうしたらなんか合点がいくよ。イワンやら、グルーシェニカとかにもかわいがられている感じとか。
 グルーシェニカといえば、彼女が語る「ネギの話」。話の内容は「蜘蛛の糸(ネギ版)」なんだけれど*1、ネギと言えば、アレですよ……!!*2 例えばカスガさんにマンガ化してもらうとか、ちょっとおもしろいと思うのですが。
 あと、商人のサムソーノフがミーチャに嘘を教えてリャガーヴィのところへ向かわせたのなんて、まさに「m9(^Д^)ドミートリープギャーッ」だったり(笑)
 歴史的な見解、というか世間的な見解はどうだか知りませんけれど、kiaoはこの『カラマーゾフの兄弟』を「喜劇」だと思っています。あまりにもそのエネルギーの過剰な使われ方に、本人たちは大真面目でも、見ている(読んでいる)こちらにしてみれば真面目を通り越してもはや滑稽なレベルにまで達してしまっている。そんな感じです。
 日々の隙間の時間をみて、ちょこちょこと読んできたので、なんだかこの本自体がちょっとした友達みたいな感覚になってしまいました。「お兄ちゃん、あいかわらずだなぁ……」とか思ったり。『黄色い本』状態。……ちょっとうそ。さすがに登場人物に混じって、談義をするほどではないです。でも、おもしろかったです。
また、ちょっと別の本を読んで、それからまたちょこちょこ4巻を読んでいこうと思います。


 お金を使う瞬間は、誰でも、その一瞬だけ王様になれます。15分間だけの有名人どころではなく、"誰でも"その機会を得ることができるのです。大人は、有名人になりたいとは思わないけれど、王様にはやっぱりなりたいのです。

*1:ここら辺のことは、解説にも言及あり

*2:安直ですがね